大仏寺・洋人街


【四面山の歩き方】


四面山は重慶市中心部から約130kmの高原地帯にあります。

成渝環線高速を「Diao家」出口で降り、一般道を70kmほど進みますが、途中は道路が未整備な部分も多く、筆者が訪れた日は片道3時間以上を要しました。

四面山風景名勝区は非常に大きな景区で、景区入口(右上写真)から各見所へは更に10km以上車を走らせる必要があります。

入口にあった景区案内図(左写真、クリックすると拡大します)によれば、望郷台景区、洪海景区、土地岩景区、坪山景区、珍珠湖景区、龍譚湖景区、水口寺景区に分かれていますが、一部は未だ開発途中でした。

自家用車やチャーター車でお越しの方はそのまま車で景区に入れますが、大型バスで来られた方は景区に入ったところでマイクロバスに乗り換えて各景区に向かいます(右下写真)。

まだ開発途上の為か、
・ 来客数対比マイクロバスの数が少ない
・ 景区によってはマイクロバス乗降所が観光地入口から遠い
・ 景区に向かう途中の山道の一部はマイクロバス同士がすれ違えないほど狭い
等、現状では大いに改善の余地がありましたので、出来れば自家用車かチャーター車で訪れることをお勧めします。

但し、筆者としては、最終的には自家用車乗り入れ一切不可とし、景区入口で全員がマイクロバスか電動乗用カートに乗り換えて景区内を移動する形式に変更すべきだと感じます。自家用車乗り入れも恐らく一因として、既に自然豊かな風景区にゴミなどが目立つようになっていました。

四面山は1994年に国務院から国家級風景名勝区を、2006に国家旅行区AAAA級を取得していますが、入口付近にあった案内版では「AAAA 級」と、5Aになれることを見越してスペースが空けてあり、至る所に5Aを取るぞ、というスローガン的な旗が掲げられていました。

是非頑張って取得して欲しいと願いますが、その為には今一歩自然を守りつつの観光開発という概念を持って欲しいと切に願います。

筆者は複数ある景区のうち、代表的な3か所を訪れましたので、概要を以下に記します。
この3箇所だけでも(ガイドの案内効率が悪かったこともあり)1日では回り切れませんでしたので、日帰りの場合は2箇所程度が限界ではないか、と思います。


【望郷台】

四面山観光最大の見所である四面山大滝(望郷台大滝)を見学する景区です。
大滝は高さ158m、幅48mと非常に大きく、「華夏第一の滝」と呼ばれています。

自動車道路から望郷台と書いてある門を抜けて10分ほど進みますと、そこから先は只管下り階段となります。かなり急な階段が続きますので、歩き易い服装と靴をお勧めします。

10分ほどで望郷台という展望台に到着し、四面山大滝が綺麗に見える筈だったのですが、残念乍ら筆者が訪れた日は霧が濃く、全く何も見えませんでした(右写真は望郷台へと降りる階段。手すりに捕まらないと危険なくらい急な下りです)。

更に少し下っていきますと、いよいよメインの見所である大滝の裏を通る桟道です。

2010年12月から2011年7月に掛けて整備されたもので、総延長418m、208支柱ある、滝の裏の断崖絶壁を刳り貫いた独特の場所となっています(左写真は桟道の中を撮影したもの)。

この桟道を通りながら滝を眺めますと、左、裏、右と様々な角度から滝を楽しむことが出来ます(左下写真は桟道入口から大滝を望む、クリックすると拡大します)。

右写真は大滝を真後ろから撮影した写真です。写真では迫力が伝わってきませんが、筆者が経験したことのある滝の後ろからの景色の中でも、この大滝は屈指の規模でした。

滝の裏を抜けて階段を下りると、滝の正面に出ます。ここが一番の記念撮影スポットとなっているようです(左下写真、クリックすると拡大します)。

そこから先は概ね平坦な道となります。

10分ほど少し進んだところで小さな滝があり、そこから大滝を見ますと滝の二重奏になっているので、ここも写真スポットとなっているようです(右写真、クリックすると拡大します)。

更に先に進むと10分ほどでマイクロバス乗り場へと戻る出ることが出来ます。

但し、冒頭にも書きましたがマイクロバスの本数が少ない上に、筆者が訪れた際には終バス時間も早そうな説明でしたので、タイムスケジュールは事前によく練っておかれることをお勧めします。


【土地岩】

土地岩は壁面の高さは127m、幅376mと非常に大きな丹霞絶壁です。

貴州省の赤水が丹霞地形として世界遺産にも登録され有名となりましたが、個人的にはこちらの赤壁の方が遥かに大きく立派に感じます。

土地岩滝は高さ89m、幅25mと、四面山大滝よりも小さいとはいえ、こちらも滝としては相当に大きな規模です。

入口から階段を下りると展望台になっており、ここから丹霞絶壁を眺めることが出来ます(右写真は展望台から土地岩滝を見下ろした写真、クリックすると拡大します)。

展望台から左手に桟道があり、絶壁の真ん中まで歩いて行くことが出来ます。

他の桟道に比べれば道幅が広いのでそれほど恐怖は感じませんが、丹霞の壁面を手で触ってみると簡単に剥離しました。どうも非常に崩れやすい岩質のようですので、安全面に不安が無くもありません。

土地岩観光は出入り口は同じ場所ですので、桟道の先端まで行って、同じ道を戻ってくることになります(一部は左写真のように上の道と下の道に分かれていますので、往復で異なる道を選択するのも良いかと思います)。


【洪海】

筆者が訪れた時点では、風景区の最奥部の標高1200m付近にある人口湖で、全長6850m、幅は60〜200mあります。

マイクロバスのバス停で下車し、5分ほど歩くと湖の入口に到着します。歩いて湖を散策することも出来ますが、メインは船に乗っての湖遊覧です。

船は数種類あり、各値段は以下の通りです。

木船(手漕式とエンジン付があります):30元
飛機艇(高速船):40元
画舫(屋形船):45元
豪華画舫(豪華屋形船):60元

何れも往復の値段で、終点で一旦下船し、湖の端(左写真)を回って再度乗船、同じルートを戻ることになります。

率直に言って、水が綺麗な訳でもなく、片道手漕船で30分、エンジン付で1時間近くこの船に乗船しても特段面白いものは見られません。

更に言えば、筆者が訪れた時点では船のチケット売り場の効率が極めて悪く、チケットを買うだけで1時間は軽く待たされる状況、更に船着き場の船のアレンジも極めて非効率的で、時間ばかりを無駄に浪費して腹立たしい状況でした。

個人的にはこの湖には敢えて大幅な時間を掛けて価値を感じませんでした。


(2014年8月)