大仏寺・洋人街


【重慶歴史名人館】

重慶歴史名人館は重慶市規画展覧館のすぐ隣、長江と嘉陵江が交わる朝天門広場の下にあります。

この展示館には、重慶市に所縁のある著名人の銅像が簡単な説明書きとともに展示されています。入場料は無料です。

外観は何となくスルーしてしまいそうなのですが、中の展示は非常に立派で、中国史がお好きな方は、意外に楽しめるのではないかと思います。

尚、この名人館には日本人が一人だけ展示されています。
筆者も全く知らなかったのですが、プレートには以下が記載されていました。

緑川英子(1912〜1947)
日本人、著名な反戦志士。日本反戦同盟員、重慶にて日本語放送員を担当し、抗戦精神を訴え、多くの著作を残し、帝国主義を批判し、「戦地の花」と呼ばれた。

この緑川英子という女性について調べてみたところ、この名前はペンネームで、本名は長谷川照子という方でした。

当初エスペラント語に傾倒、その後満州に留学して中国人と結婚、国民党中央宣伝部国際宣伝処対日科や政治部文化工作委員会において中国側から抗日戦争に従事、その後、中国にて病没、という、激動の人生を送られた女性です。

その思想には特にコメント致しませんが、少なくともあの時代において女性がこれだけの行動力を発揮されたということは注目すべきだと思います。

館内には他にもいろいろな展示がありますので、是非、お時間のある方はじっくり見学されてみては如何でしょうか。




(2013年3月)