【金沙遺跡の歩き方】
金沙遺址は成都市中心部西に位置しており、遺跡全体が広大な公園となっています。
主な見所は、発掘された遺跡自体を展示する「遺跡館」と、出土品を展示する「陳列館」ですが、お時間のある方は敷地内を散策されても宜しいのではないかと思います。
入口は南大門、東大門、北大門の3箇所が設置されています。
地下鉄を利用の場合は、2号線一品天下駅を下車し、南へ1kmほど進んで金博路を右折すると北大門に到着します。
但し北大門は裏門ですので、タクシーで行かれる場合は、東大門か南大門に連れて行かれるものと思います。
【遺跡館】
金沙遺跡は2001年2月、道路建設を行っていたところ、地中から大量の動物の骨や象牙、石像、石器、銅器等が出てきたことから、遺跡として発見されました。
最終的には、動物の骨数千片、象牙約1t、青銅器約1200点、玉器約2000点、金器約200点等、非常に大量の遺物が発掘されることになり、近来稀に見る考古学史上の大規模発掘となりました。
発掘された遺物や遺跡の調査結果から、この移籍は一時代のものではなく、商後期〜春秋時代に亘る、非常に長期間の都市遺跡であることが判明しています。
遺跡館では、発掘された遺跡を巨大なドームで覆った展示が行われています。
移籍自体は上述の通り非常に大きく且つ長期間に亘っているのですが、この移籍館で展示されているのは、主に商〜周代の祭祀遺跡です。
右写真は動物の角、骨など、祭祀に用いられた遺物の発掘現場です。
最初はレプリカかと思いましたが、よく見ますとどうも実物のようでした。
中央右側には出土した象牙も見ることが出来ます。
金沙移籍は、こうした数々の大発見により、2006年に中国重点文物保護単位に指定されています。
【金沙遺跡博物館】
金沙遺跡博物館は金沙遺跡の上に建築されています。
敷地面積456畝の広大な公園のような中に、上述の遺跡館の他、陳列館、文物保護・修復センターが建築延面積約4万uに及ぶ広さで設置されています。
2004年に建設が開始され、2007年4月16日より対外開放されました。
遺跡館に次ぐ見所は陳列館です(左写真)。
陳列館は入口から先ず2階へ上がり、1階、地下1階を順番に見学していく形となります。
<2階>
第一展示室 : 遠古家園
金沙文明が栄えていた頃の自然風景と、初期文化関連遺物を展示しています。
自然風景の再現は、中国の博物館の中では確りとした展示です。
第二展示室 : 王都剪影
当時の復元住居、生活用具、墓葬しています。
墓葬の展示と説明も一見に値する内容でした。
<1階>
第三展示室 : 天地不絶
出土した金器、銅器、象牙、玉器、石器等を展示しています。
何故か非常に薄暗いので注意が必要です。
第四展示室 : 千載遺珍
発掘された遺物のうち、特に価値の高い貴重な物品を展示しています。
この陳列館の中でも最大の見所です。
こちらに展示されている目玉は、「金面具」と「太陽神鳥」の金器です。
金面具(右上写真)は、その顔つきに特徴があります。
切れ上がった目、高い鼻は、明らかに中原文化とは異なる造形で、この金沙文明が、成都市北に位置する三星堆文明の流れを汲んでいることが判ります。
もう一つの代表的な遺物が太陽神鳥(左写真)で、こちらは現在、成都市の市微にもなっています(右写真)。
<地下1階>
第五展示室 : 解読金沙
金沙文明全体の様子を展示している他、筆者が訪れた際には、古文書修復の実演などもやっていました。
最後に、出口近くに立体映像シアターとお土産物コーナーがあります。
博物館全体の地図は左の通りです(クリックすると拡大します)。
【参考文献】
『金沙遺址』、成都金沙遺址博物館編著、五洲伝播出版社、2006年
(2013年12月)
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