大仏寺・洋人街


【金刀峡の歩き方】


金刀峡は重慶市中心から北にある北碚区の山中に位置している4A級観光地です(2014年5月に3A級から昇格)。

重慶市中心部からは、先ず北碚行のバスに乗り終点の北碚区バスターミナルで下車、バスターミナルから少し北へと進むと、金刀峡行の路線バスが多数出ています。

但し、金刀峡行のバスは観光地の入口から少し手前の金刀峡鎮までしか行かないものもあるようですので、乗車の際にご確認下さい。

筆者は車をチャーターして訪れましたが、個人的にはこの観光地は路線バスではなく車をチャーターされることを強くお勧めします(理由は本文中をご参照)。チャーターの場合は2時間前後で観光地入口まで到着すると思います。

金刀峡の観光地入口は北門と南門の2か所があり、分岐点には右上の看板が出ていますが、北門が山の上、南門は下に位置しており、通常は上から下へと下りながら観光しますので、この分岐を道なりに右折します。

敢えて登りに挑戦されたい方は左折して南門へと進んで下さい。

分岐看板を過ぎて山道を30分ほど進むと北門の入口(左写真)が見えてきます。
自家用車で来られた方は、入口と出口が異なる為、ここの駐車場で運転代理(有料)を頼んでおくと、出口に車を回して貰えるようです。

この石柱の先にあるチケット売り場で入場券を購入します。

<入場料>
繁忙期:一般100元、学生50元
閑散期:一般60元、学生30元
*2014年8月時点(料金表示は以下同様)
*繁忙期3月〜10月、閑散期11月〜2月
*学生割引使用は学生証が必要

チケット売り場の奥はキャンプ場となっていますので、渓谷へはチケット売り場左側の坂道を下っていくと、5分ほどで右写真のゲートに到着します。

北門から最初の1km程度は急な下りとなっており体力を大きく消耗しますので、体力に自信の無い方はここでロープウェイチケットを購入して下さい。

<ロープウェイ代>
片道:30元

観光を終えると南門から出てくることになります(右写真)。

路線バスは南門には来ないようですので、バスでお戻りの場合は北門か金刀峡鎮へ出る必要があります。南門から北門への定期バスもあるようですが、筆者が出た際には全く見掛けず、本数は少ないのかもしれません。

尚、北門、南門とも非常に駐車場が小さく、特に週末の南門は片道1車線の道路の片側に路上駐車が並ぶ為、大変な渋滞に巻き込まれる可能性があります。筆者が訪れたのは通常の土日で連休ではなかったのですが、観光を終えて2時頃に南門から出てきたところ、駐車場に来る車と出る車がごった返しており、チャーター車が駐車場から出るだけでも20分ほどを要しました。

左は金刀峡観光地地図です。基本的には一本道で迷うことはありません。

北門から南門までの下りは、ロープウェイ利用・相当にゆっくり目に歩いて3時間程度でした。



【名前の由来】

金刀峡とは大変趣のある名前ですが、調べてみると以下由来でした。

元朝末、張昆という山で薪を採ることを生業としている男がいました。

張昆はある満月の夜、道に迷って渓谷を彷徨っていたところ、月の明かりに照らされた金色に光るものが目に入りました。近づいてみると、それは金色の刀でした。

張昆は、これは天からの思し召しだとして、この金の刀を持って渓谷を飛び出します。

張昆はその後、元末の混乱の中で山賊の一味となり、やがてその首領となって、貧しい人を助ける為に活躍します。

その後、明の将軍が張昆の実力を認めて「張金刀」と呼び、張昆はモンゴル軍との戦闘で大活躍することとなります。

やがて人々は、張昆が金の刀を発見した渓谷を、張昆を称えて「金刀峡」と呼ぶようになったそうです。

この話がどこまで真実かは判りませんが、重慶市中心部から北のエリアは、南宋時代以降、モンゴル軍と何度も激しい戦闘がありつつもそれを撃退した街であることから、一定の真実は含んでいるのではないか、と筆者は感じます。


【金刀峡】

金刀峡は基本的に渓谷に沿って遊歩道を進む観光地ですが、途中には崖を伝って進んだり(右上写真下右)、渓谷の水中を泳いで進むアトラクション(右上写真下左)もありますので、これらのアトラクションに挑戦されたい方は、水着や水中で履きやすい靴など、それなりに準備をしていかれることを強くお勧めします。

以下では北門から南門へのルート概要をご案内します。

<北門〜ロープウェイ下駅>

北門から観光区に入場した建物の中に徒歩とロープウェイの分岐があります。

ロープウェイのチケットを購入された方は、更にここでロープウェイ券の検札を受けて下の階に階段で進むと、ロープウェイ乗り場があります。

ここのロープウェイは少し変わっていて、3台1編成が全部で4編成ロープにぶら下がっています。

筆者は3台の真ん中に乗ってしまいましたが、景色を堪能されたい方(かつ高所に耐性のある方)は1台目か3台目に乗ると良いと思います。

乗降時の速度調整設備がついていない為、各編成が駅に到着するとロープウェー全体の速度がゆっくりになります。4編成なので、つまり駅についていない箱はちょうど真ん中の断崖絶壁の頂上あたりで徐行運転となる為、なかなかのスリルです。

乗車時間は約5分、景色は進行方向左手が断崖絶壁の絶景となっています(右写真)。

ロープウェイに乗らない方は、約1時間かけてこの断崖絶壁の中の山道を下っていくこととなります。

徒歩での下山も景色が非常に良いようですので、体力のある方は是非とも挑戦してみて下さい。

<ロープウェイ下駅〜検札所>

ロープウェイ下駅から検札所までの約1.3kmは、左写真(クリックすると拡大します)のような、やや幅広い渓谷を緩やかに下っていきます。

尚、ここの観光地には右のようなプレートがあり、年齢別の目標踏破時間と消費カロリーが掲示されていて親切です。

やがて川右岸に木造の建物が並んだ場所が出てきますが、その先が検札所で、ここでチケットの再確認が求められます。またヘルメット(右写真)が渡され、着用を求められます。

何だこんなもの、と思うかもしれませんが、この先は崖を刳り貫いたような道が続き、上から出っ張る岩が危険ですので、馬鹿にせず必ず着用するようにしましょう。

<検札所〜沙渓湖>

検札所を抜けるとすぐに長いトンネルが待っています。

トンネルから先は、今までとは打って変わって、両側を断崖絶壁に挟まれた細い渓谷が1.8kmほど続いています。
本来道が無いところに無理矢理絶壁を刳り貫いて作られた細い道を川沿いに下っていくことになります。

進むこと40分ほどで道が二手に分かれます。

川の方へと降りていく道は渓谷を船に乗って進むコース、山へと上がっていく道は徒歩のコースです。

ここは折角なので船で行くことをお勧めします


<乗船料>
片道:10元

尚、この船の道と並行する断崖絶壁を伝っていくというアトラクションもあります(左写真)。こちらは相当に辛そうに見えたので、体力に自信がある方以外は止めておいた方が良いかと思います。

船を降りると湖のような場所に出てきます。

<沙渓湖〜南門>

沙渓湖を過ぎると金刀峡も最後の2kmとなります。
この場所からは、「人体漂流」という渓谷の川の中を進むアトラクションを選択することが出来ます。

<人体漂流>
100元

但し、このアトラクション、本当に渓谷の中をジャブジャブと進み、斜面あり洞窟ありと上から見ていても相当にハードでしたので、体力に自信のある方、水に自信のある方でも、きちんと服装や靴は準備をして行った方が良いと思います。

湖から少し進むとサル山があります。

筆者が訪れた際には子ザルもたくさんいて、見ていて飽きませんでした。

そこから先は南門近くまで、細く曲がりくねった急な渓谷が続いています(以下はクリックすると拡大します)。







やっとゴールです。お疲れ様でした。

冒頭にも書きました通り、この南門から入ることも可能です。
但し、ずっと登りが続きます。

またこれも冒頭に書きましたが、南門の駐車場は非常に狭く、路線バスも来ないようですので、気力と体力と中国語に自信が無い方は、車をチャーターして来られることを強くお勧めします。


(2014年8月)