大仏寺・洋人街


【華岩寺の行き方】

重慶で初めての元旦を迎えるに当たり、重慶の方に「1月1日に日本式初詣(筆者注:中国では新年=春節)をしてみたいのだが、何処が良いか」と聞いたところ、幾つか候補を教えて貰ったのですが、よく高速道路から見掛けているにも関わらず、まだ行ったことが無い華岩寺に行ってみることにしました。

重慶市内でも最大級の華岩寺は中心部から南に位置する九龍坡区にあり、公共バスのバス停「華岩寺」を降りて目の前ですので、バスで訪れるのが最も便利です。渝中区方面からであれば268番が朝天門から、沙坪覇区方面からであれば843番が磁器口から華岩寺まで結んでいます(2013年1月現在)。
筆者は沙坪覇まで出て843に乗り換えて行きましたが、渋滞がなければ沙坪覇から30分程度です。

華岩寺のシンボルは何といっても黄金の大仏です。

筆者が訪れた2013年元日は、冬の重慶らしからず、ほぼ快晴で、華岩寺の寺門からちょうど逆行になってしまった為、写真がやや白飛びしてしまいました。

但し、真逆光になる場所から丁度大仏の頭上に太陽が来る形で撮影したところ、右写真のように後光が射しているかのような写真になりました(クリックすると拡大します)。




【華岩寺】

華岩寺の名前の由来ですが、寺の南側にある岩山に洞窟があり、雨が降ると洞窟の天井から洞窟内の泉に滴り落ちる水が華が散る様子に似ていたことから、この洞窟の名前が華岩洞となり、お寺もその洞窟の名前からついたものだと言われています。

正確な創建年代は判っていないようですが、言い伝えでは唐代に仏教徒が華岩洞内に礼拝場所を作ったことが発端とのことです。

バス停を降りるとすぐ目の前に寺門があり、その左側にチケット売り場があります。入場料は10元です(2013年1月現在)。

山門をくぐると、すぐ目の前に金色の大仏が見えてきます。

大仏の見学が終わったら、大仏の左手から下へと続く階段を降りてください。
階段を下りたところにある緩やかな坂道を右に曲がると、順番にお寺の建設物が見えてきます。

一番手前にあるのは弘法楼です(左上写真)。

筆者が訪れた際にはお坊さんがマイクを使って何かお祈りをされていたので、面白そうだと思って暫く見学していたのですが、実はこれはお坊さんによるセールス活動で、台の上(右写真)に置いてある小さな包にはお米が入っており、この霊験あらたかなお米を10元でお分けします、ということでした。

弘法楼の中には1階部分の参拝施設のほか、上層階には仏教関連の展示もあると書いてあったのですが、明らかにつまらなそうでしたので、見学しませんでした。

弘法楼の隣には、接引殿があります。接引殿は清代の嘉慶24年(1819年)に創建された建物で、中には三聖の像が祀られています。

左写真のように正面から見ると奥にある仏塔が寺門の真正面に来るようになっています。

仏塔へはこの接引殿の左手から接引殿の裏手へまわり、山を登っていくことになります。

右写真はその途中で見かけた面白いものです。

左側は電線を結び付けられてしまった屋根の上の仏像。
写真では判り難いのですが、体にグルグルに電線を巻きつけられていました。

右側はその建物を支えている柱です。
こちらも写真では判り難いのですが、柱に頭をめり込ませて屋根を支えているかのようになっていました。

階段を上っていくと、華岩寺の七仏塔が見えてきます。

この仏塔ですが、左写真の通り、実は歴史的建築物でも何でもありません。
コンクリート造、窓ガラス付、という近代建築です。
せめて中に入れれば景色が良さそうなのですが、鍵が掛かっており中にも入ることが出来ませんでした。

従いまして、この仏塔は遠くから見ているだけで十分で、階段を上って近くまで来てみる価値は無いかなと思います。

七仏塔へ上る階段の途中に、千年神亀という石像がありました。
撫でると幸運があるとのことで、多くの参拝客が頭の部分を撫でていました。

接引殿の左手にある精進料理レストランの前を通り過ぎると、奥にやっと見えてくるのが華岩寺の本殿です。
尚、精進料理レストランの前を抜けるのが近道ではありますが、きちんと正面の山門から入りたい場合は、いったん接引殿か精進レストランの門より坂道へ出て、そのまま坂道を下ると山門が見えてきます。

華岩寺は、山門をくぐると鼓楼・鐘楼があり、正面から天王殿(左下写真。クリックすると拡大します)、大雄宝殿とその左右の薬師殿・観音殿、さらに奥に念仏堂、羅漢堂、禅堂、祖堂といった建物から成っています。

天王殿は清代康熙年間(1670年)に建築されたものです。一番奥にある祖堂は華岩寺の開祖である聖可大和尚の塑像と歴代住職の絵が飾られています。また中には最も古いもので明代万暦年間(1599年)の碑が残っています。
また念仏堂は簡単な博物館になっており、華岩寺とその周辺から出土した遺物が展示されています。
抗日戦争時期には国民政府財政部がこのお寺に設置されていたそうです。

山門の隣に華岩寺の見取り図がありましたので、最後に掲載しています。


(2013年1月)