虹口を歩く(1)


【歌楽山について】

歌楽山は重慶市中心部から西に約16km、沙坪Ba(土ヘンに貝)区にある山です。

市中心部から渋滞が無ければ歩みの遅い路線バスでも1時間以内と近く、標高も適度であることから、重慶市民の気軽なハイキングコースとなっています。

歌楽山は、国民党時代の共産主義活動関連施設が多数あったり、名物の歌楽山辣子鶏など、観る・食べる楽しみもあります。


【歌楽山への行き方】

重慶市中心部から歌楽山へ行くには、210番のバス終点の「白公館」で下車するのが最も簡単です。

「白公館」から約150mほど山を下ったところ(バスで来た道を戻ったところ)にロープウェイ乗り場と登山口があります。

然し、私が訪れたのは清明節3連休中だった為、歌楽山の麓から既に右写真のような大渋滞。バスの運転手が何やら重慶語で叫ぶと、殆どの乗客はバスを降りて歩き出し、バスに残っているのは我々ともう1グループだけとなりました。

運転手に、
「すみません、外国人なので普通話でもう一回説明して」
と話をすると、運転手曰く、
「今日は大渋滞で、ここから白公館まで1時間以上掛かる。歩いても15〜16分くらいだから、歩いて行った方が良い」
とのことで、我々もここでバスを下車し、歩いて歌楽山に向かう事にしました。

バスを降りると、そこは終点の「白公館」の3つ前のバス停「烈士墓」の近くで、そこから延々と坂道を登ります。

途中には「紅岩魂陳列館」(左上写真)、廃線(多分)になった線路(右下写真)、他にも様々な記念碑・モニュメントなどの見所が幾つかありましたが、この日はまず山へ登ることを優先したので見学はパスし、更に山を登ります。

山を登ること約25分ほどでロープウェイ乗り場・登山口(下写真左)に到着しました。

この日は4月初にも関わらず最高気温が27度と既に夏日状態だったので、徒歩での登山は体力的に無理ということで、我々は迷わずロープウェイ乗り場の方へと進みます。

これだけ大渋滞だったので、さぞや大混雑しているかと思いきや、驚くべきことにロープウェイ乗り場には20名程度しか並んでいませんでした(下写真右)。
      

このロープウェイは、ネットで調べた地場の報道によれば、昨年10月に腐食が進んでいて危険だということで1ヶ月運転を停止して点検を行っていたとのこと。

点検開けでさぞや立派になったであろうと思いきや、やってきたゴンドラは、どこをどう直したのかが全く判らないくらいに老朽化していました。

ゴンドラの腕の部分は腐食予防塗装をしているものの、繋ぎ目のボルトからは赤錆が噴き出しており、窓ガラスも傷だらけで開けないと外は何も見ない、という状態です。

もしかすると1ヶ月点検の際に交換したのは、本当に落下寸前のゴンドラだけだったのかもしれません。

然しこのゴンドラから見る景色は絶品でした。


ゴンドラを降りると左手奥には飛雲橋(下写真左)という吊り橋があり、そこを渡ると沙坪Baが一望出来る展望台(下写真右)に出ることが出来ます。見えているグラウンドは四川外語大学です。

尚、この展望台の他、山頂や各種山中施設に入る為には共通券を購入する必要があります。値段は10元(2012年4月現在)でした。



再びロープウェイ乗り場に戻り、山頂への入口へと向かいます(山頂へ向かう階段の入口で先ほど購入したチケットを見せる必要があります)。

階段の途中、残り286段のところに左のようなプレートがありました。

年齢別の山頂までの目標時間なのですが、この後、実際に登ってみると、一体どこまでが286段なのか、よく判りませんでした。

私が辿り着いた、恐らく山頂と思われるところまでは、どう考えても10分も掛からなかったので、もしかすると山頂までではなく、違う場所への段数だったのかもしれません。

山頂(と思われる場所)には、巴(古代の四川省・重慶市エリア)文化を模した広場や、ゴーカート(何故こんなところに)などがあります。

更に山頂を越えて先に進むと「空中飛降 全国最長」なる横断幕がありました。
何かと思ってみてみると、

このようなものでした。
そして、私も乗ってしまいました。。。

この「空中飛降」で山の下まで降りてくると、そこは歌楽山の裏側(西側)の入口(右写真)でした。

そこから再び歌楽山に入ることも出来たのですが、お昼を少し過ぎたところだったので、我々は山には戻らず、歌楽山名物の辣子鶏を食べに行くことにしました。

歌楽山で最も有名なお店である「歌楽山林中楽辣子鶏」をネットで調べて住所と地図アウトプットしてきたのですが、地図によればこの門からそれほど遠くなさそうだったので、門番のおじさんに場所を聞くと、チケット売り場の右手に続く坂道を下って行き、左に曲がればこのお店がある、とのこと。

その言葉を信じて歩くこと約10分、非常に開けた場所に出てしまったので、今度は交通警察のお巡りさんに聞くと、なんと坂道を下って右に進み、更に直進とのこと。残念乍ら元来た道を戻り、更にその先を道なりに直進します(実際にはかなり曲がりくねっている上にアップダウンがあります)。

然し行けども行けどもお店無し、そのうち別荘地のような場所に出てしまったので、更にそこの守衛さんに道を聞くと、どうやら道は合っているらしく、更に道なりに直進すること約5分、やっと目的のお店にたどりつくことが出来ました(左写真)。

行ったり来たり道に迷ったので歌楽山の大門から30分も掛かってしまいましたが、道に迷わず辿り着ければ恐らく15分程度ではないかと思います。

やっと目的のお店に到着、然し既にお昼ご飯の時間は過ぎているというのに店内は未だ大混雑。席の案内も適当で、3階へ行けと言われて行くも3階に案内無し。自分で料金を払うカウンターで直談判したら、やっと席に通してくれました(然しその後もメニューもコップも来ないので、全部自分で店内を歩き回って調達しました)。

さて、そこまで苦労して辿り着いた、かの有名な歌楽山辣子鶏はこちら。


上に少しだけ写っているコップや手からお判りのように、超巨大な皿がやってきました。

1斤35元ということだったのですが、最低でも5斤からしか注文出来ない、ということで、我々のみならず周りの少人数テーブルでも同じようにこの巨大な辣子鶏がど〜んと乗っていました。

さて、食事も終えて戻ろうと思ったのですが、この場所はタクシーはもちろんのこと、バスも通りません。
つまり歩いて元来た道を戻るか、目の前の坂道を更にひたすら歩いて下るかしか選択肢が無い、という状態です。

元来た道を戻っても面白く無いので、坂道をひたすら降りること約40分、やっと210番バスの終点である「白公館」のバス停に到着しました。
然し、ここも人、人、人の山。幸運なことにバスはすぐに来て、座ることが出来たのですが、駐車場内が大混雑しており、バスが駐車場から出られず、結局乗ってから15分近くたって、やっとバスは駐車場を離れることが出来ました。

今回、歌楽山観光をしてみて感じたのは、
(1)山に入ると交通が不便なのである程度体力が無いとシンドイ
(2)祝日に行ってはいけない
(3)辣子鶏を食べに行くならば車をチャーターした方が良い
ということです。

今回歩いた周辺地図をご参考まで以下に掲載します。


 (2012年4月)