大仏寺・洋人街


【仏図関公園の歩き方】


仏図関公園は、渝中区の中央部に切り立つ山の北側、嘉陵江に面した斜面にある、アップダウンの激しい長細い公園です。

地下鉄2号線には仏図関駅がありましたので、筆者はまずは仏図関駅で下車してみました。

然し筆者が訪れた2013年4月時点では、駅員に聞いたところ公園に通じるルートはまだ整備されておらず、坂道を40分大回りする必要があるとのことで已む無く断念、再び2号線に乗り、大坪駅で1号線に乗り換えて鵝嶺駅で下車しました。

鵝嶺駅から外へ出るとすぐ目の前が仏図関の南門です。

冒頭にも書きましたが、アップダウンが非常に激しいこと、また細長い公園で出入り口の数が少ないので、自ずと長距離の階段上り下りを繰り返さざるを得ないことから、運動に適した服装と靴で行かれることをお勧めします。

尚、南門横には手書の公園地図が掲示されていますが、可也大雑把且つ位置関係も適当ですので、だいたいどの方角に何があるかを把握しておく、といった程度の参考とされた方が良いと思います。

率直に言って、この公園は中に入ると、どこをどう歩いたら良いのか判らず、また道を間違えたと思ってもアップダウンが激しく元来た道へ戻るのも一苦労です。


【仏図関公園】

仏図関公園は北は嘉陵江、南は長江に挟まれた渝中区のもっとも縊れた部分に位置する公園です。

標高は388mと決して高くはありませんが、場所によっては断崖絶壁のような急斜面となっているところもあります。

古来、現在の渝中区中心部にあった重慶城を陸路で攻略しようとすれば必ず通らなければならなかったのがこの仏図関であり、戦略上、重要な位置にありました。

仏図関には、その名の通り仏像や碑文が彫られており、古くは唐代からのものが残っているそうです。

南門から入ると正面には大きな盾を背負った意味不明な巨大人物石像がありますが、その右手にある展望台からは、嘉陵江を見下ろすことが出来ます。

謎の石像の右側にある細い登り坂と階段をひたすら登っていくと、仏図関の最高部(恐らく)には「楊闇公烈士銅像」が建っています。

楊闇公は四川省潼南出身で五四運動などにも参加、その後は四川・重慶エリアの共産党政権樹立に尽力された方だそうです。

この銅像のすぐ左裏手には社があり、お参りする人を見かけました。
右手は嘉陵江沿いに進む遊歩道となっています。

然しこの遊歩道、切り立った絶壁の下に通っている為、右写真のようにいつ頭上がから崩れてくるか判らない恐怖を感じる場所も少なくありません。実際、ところどころには落石注意の看板もありました。

平坦な部分は少なく、階段や坂道を上ったり下りたりするトレッキングコースのような道が続きます。

然しながら、多くのご年配の方々が普段着・普通靴、手荷物を持って飄々と階段を通っていました。
流石に重慶のご年配は子供の頃から鍛えられているなと感じます。

仏図関の西端は嘉陵江嘉華大橋近くです。
この辺りは再開発が急速に進んでおり、上から見下ろすとその様子がよく判ります。

筆者はここから今度は階段を下っていったところ、モノレールの仏図関トンネルの入口に辿り着きました。日頃は車両から見ていたトンネルを上から見るというのは滅多に無い経験ですので、思わず足を止めてモノレールが行き来するのに見入ってしまいました。

更に川沿いまで降りていくと、関帝廟がありました。可也新しい建築で、線香も供えてあったのですが、人気は全くありませんでした。

関帝廟から細い路地裏道を降りていくと、嘉陵江沿いのバス通りに出ることが出来ます。


(2013年4月)