虹口を歩く(1)


【概要】


重慶動物園は重慶市中心部南西の九龍坡区にあります。
1953年開業と歴史が古く、常時展示されている動物も約230種6000頭余りと比較的規模の大きい動物園です。

この動物園の特徴は、何といっても四川省と重慶市が故郷のパンダが多数見られる、ということに尽きると思います。

また流石に山城重慶だけあって、動物園の中も非常に起伏に富んでいます。見学するには少し体力が要りますが、一方で起伏のお陰でより自然な感じの展示になっているとも感じます。

重慶動物園の行き方は非常に簡単で、地下鉄2号線の「動物園駅」を下車すると目の前が動物園の入口です(右上写真)。
また、九龍坡区の商業エリアである楊家坪のすぐ隣にある為、他の商業エリアからバスで来ることも出来ます。

恐らく開業当初は閑静な郊外だったのでしょうが、現在では高層マンションに囲まれたロケーションとなっており、動物園らしからぬやや不思議な景色を作り出しています。

重慶動物園の公式サイトはこちらです。 http://www.cqzoo.com/


【パンダ】

重慶動物園といえば何と言っても主役はパンダです。

パンダを上野動物園あたりで見ようと思うと、膨大な列に長時間並び、やっとパンダ舎に辿り着いたと思ったら、一瞬だけガラス越しに微動だにせず爆睡している様子を拝める、という、日本では超レアな生き物です。

然しここ重慶動物園には非常に多くのパンダが居る為か、それとも重慶市民にとっては単なる地元の動物扱いなのか、動物園の入口から入って最初にあるという最高のロケーションにも関わらず、パンダ舎の周辺は左上写真のように結構閑散としていました。

この後、動物園内の色々な動物を見学しつつ、中国の方々の行動も見ていたのですが、日本では珍しいレアな生き物に比較的人が集まり易いような気がするのに対し、中国の方々は、兎に角活発に動いて、見ていて面白い動物に人が集まる傾向があるようでした。

この日の中国のお客さんに一番人気だったのは、象です。
左下写真のように多くの方々が象の周りに集まっていました。

巨体にも関わらず可也活発に活動しており、時折お客さんの方に向かって餌をねだるなど、見ていて飽きません。

然しそうはいっても、世界の珍獣であるパンダと、まぁどこの動物園にでも居るであろう象のこの見物人の数の違い、流石に重慶、他の動物園とは違うなと感じ入ってしまいました。





【パンダ以外】

パンダ以外にも非常に多くの動物が居ましたが、そのうち特に面白かった動物を以下に掲載します。

上にも書きましたが、この動物園の象はサービス精神旺盛で、観客の前に来て餌をねだったり、仲良く寄り添ったりしていましたので、私が訪れた際には、観客数一番人気でした。
日本語では赤鹿と呼ばれている鹿の中国固有種は、中国語では「馬鹿」と言うそうです。
中国産の華南虎です。
誰か心無い見物客が投げ入れたペットボトルと戯れて遊んでいました。
とても大きいチンパンジー舎です。
ときどき観客の方に手を伸ばして餌をねだる仕草をしていました。
ミニブタが更に子ブタを連れていて、とても可愛かったです。
アルパカです。
よく見ると首の真ん中あたりに黄色いものが見えますが、観客が餌代わりに投げ入れたスナック菓子が、ふかふかの毛皮にくっついてしまったようです。

動物園はゆっくりと見て回って約2時間くらいだと思います。

動物以外にも、小さな遊園地や人工池のボート乗り場などもあり、小さなお子様連れでも休日を楽しめる場所でした。

(2012年4月)