【人民大礼堂】
重慶市のシンボルと言えば、解放碑と双璧がこの人民大礼堂です。
歴史建造物のような見た目をしていますが、実はそれほど古くは無く、1954年竣工です。
説明書によれば、北京の天安門、天壇、故宮塔楼などを模して造られたとのこと。
建築面積18,500u、高さ65m、座席数4,000という結構大きな建造物で、中は左写真のように会議場となっています。
重慶市を代表する建築物でもあり、一度は見てみるべき場所ではありますが、入場料10元(2012年5月時点)を支払って中に入っても、誰もいない会議場があるだけですので、外から眺めるだけで十分かなという気もします。
尚、中に入られた場合は、是非、各階の回廊を回ってみて下さい。人民大礼堂建築の歴史や、主な来賓、世界の有名な大礼堂のパネルが展示されていますので、全てじっくりと読めば10元分くらいは元が取れるかと思います。
【三峡博物館】
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人民大礼堂の目の前にそびえ立っているのが三峡博物館です。
この博物館は、元々は重慶博物館として1951年に建てられていたものを大改修し、2005年に三峡博物館としてリニューアルオープンしたものです。
新しいだけあって中国の博物館の中ではかなりしっかりとした展示がされています。歴史がお好きな方で、じっくり見学される場合は3時間くらいは見ておいても良いかもしれません。
展示は1階に三峡の自然文化、2階に古代重慶(巴渝)と重慶市の歴史、3階が抗日戦争、古銭、古代塑像、4階が書画・磁器、となっています。
可也大きな博物館なので全く個人的に魅かれたものをご紹介します。
一つ目は金印です。
金印と言えば、日本では志賀島で発見された「漢委奴国王」印が有名ですが、この博物館にも漢代の金印が展示されていました。
この金印は漢の時代の将軍補佐役であった「偏将軍」の印鑑で、高さ2cm、幅2.4cm、重さ108.95gという非常に小さな物ですが、金純度96%だそうです。
続いて気になったのは右写真、ちょっと小さくて判り難いかもしれませんが、「屈葬」です。
日本の古代史がお好きな方はご存じだと思いますが、屈葬とは日本では縄文時代に見られた埋葬方式です。
何故、このような膝を屈した形で埋葬されたのかには諸説あり、最も有力なのは「胎児を模すことで再生を祈った」というものですが、他にも「墓穴が小さくて済む」「悪霊を追い払うまじない」などの説もあり、確定はしていません。
私は結構古代史が好きなので中国の博物館には良く行く方だと思うのですが、こんなにきっちりと屈葬について展示していたのは初めて見ました。
この博物館は他にも色々見所盛り沢山ですので、歴史がお好きな方は是非足を運んでみて下さい。
【人民大礼堂・三峡博物館の行き方】
バス停「大礼堂」で下車すると目の前ですが、地下鉄でも行くことが出来ます。
地下鉄駅「曽家岩」が最寄ですが、駅と大礼堂の間には左写真のような突き当りが見えない長い地下道を歩く必要があります。
(2012年5月)
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