別名「山城」とも呼ばれる重慶はアップダウンの激しい街なので、これをどうクリアするかが生活者にとって大きな課題となっています。
高速道路の高架も日本ではまず見られない不思議な構造が多いですが、「これぞ重慶」という景色の筆頭格が、この皇冠大扶梯です(扶梯とは中国語でエスカレーターの意味です)。
渝中区の中心街の一つである両路口と長江沿いにある重慶駅の間は急な山の上り下りが必要で大変に不便だった為、1993年2月、ここにエスカレーターを作るプロジェクトが開始されました。
着工から3年を経た1996年2月に完成、全長112m、傾斜角度30度、全行程2分30秒という、驚異的な長さのエスカレーターが誕生しました。
長いのエスカレーターとしては、香港島のミッドレベルのものが有名ですが、そちらは実際には複数のエスカレーターを乗り継いでいく形であるのと、傾斜もそれほどきつくありませんので、個人的には重慶の方が圧倒的に凄いと感じます。
たかがエスカレーターと思われるかもしれませんが、実際に乗ってみると、そのあまりの長さと高低差には足がすくみます。
尚、エスカレーターではありますが、通行料2元が必要です。
(2013年3月)
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